太宰
また行為後にシャワーも浴びずに爆睡してしまって、起きた頃には股下は太宰の精液が乾いたやつでカピカピになっていた「またやっちゃったよ、シーツ買い替えなきゃ」「……」「なに人の股じっくり見てんの」「精液。固まって砂糖菓子みたいになってる」「砂糖菓子食べられなくなるからやめて」「食べて」「え?」「……いや、砂糖菓子をね」「は? どゆこと? 取り繕うにしても脈絡あってないよ」「冗談だよ」いや冗談に聞こえないんだけど
太宰
別に太宰の前職が何だろうが知ったことではないけど、太宰に向けて、単純に瞬間的な恐怖を感じる時はある「っ、だざい、?」「…………ああ、ごめんごめん」彼の計算によってお膳立てされた同じタイミングでの絶頂の瞬間、太宰はいつもわたしの首へ両手を伸ばす「……なんていうかさ」「なに」「もしかしたら、なまえは一緒にセックスするより、殺すことが1番しっくりくるんじゃないかなあって」いつも行為前後は寡黙なのに、突然ぺらぺら喋りだした「はあ」「思うことが、時々あって」「……」「どう思う?」「なにその、人間のなりかけみたいな態度」「どう思う? 答えて」無表情で問い詰められて、ぼんやり、ああわたしってこいつにとって答えを聞くべき存在くらいにはなってるんだなあと感心した「そりゃ、殺してみなきゃわかんないよ」
フョードル
「なまえ」ベッドにうつ伏せながら携帯を眺めていたら、フョードルが控えめにのしかかってきた「なあに」無言のままおしりの隙間に股間を擦り付けてくるから、ああセックスしたいんだなと理解した「ごめん今ちょっとムリ」「……じゃあ、いつなら良いんですか?」すねたような声。しかたないなあ「そんなに待てないなら好きに挿れてていいよ、構ってはあげられないけど」「……。わかりました」フョードルがわたしのパンツを脱がしにかかったから腰を上げてあげた「ぼくの好きにして良いですね?」「どうぞー」その後バカみたいに長い間指だけで弄られたし、なんならわたしが懇願するまで挿れてくれなかった
シグマ
「シグマ」名前を呼んで、自分の秘部に指を絡める。彼はそこを熱っぽい瞳で見つめていて、呼吸も僅かに揺れていた「シグマ、さわってみる?」誘うと、シグマは熱っぽい瞳のまま酷く困惑した顔をして、わたしに赦しを乞うような視線を寄越してきた「……わたしにさわりたくない?」「ぁ、ちが、ちがう」「わたし、さわってほしい。わたしシグマすきだよ」「ぅ、あ、」誘いの言葉を足しているうち、遂に彼は幸福と興奮によって泣きだしてしまった「……ごめん。泣かせるつもりじゃなかったの」「ちがう、ちがうあやまらないで、くれ、しあわせなんだ、しあわせすぎて、……」結局彼は彼のやさしさと自己肯定感の低さ、病的なそれらによって、愛しているわたしに手が出せないのだ